2009年3月30日月曜日

ヘロンの公式の一般化

ヘロンの公式の任意のn次元で通用する一般化は、計量行列の行列式の平方根(ここまでで二次元ならば平行四辺形の面積、三次元ならば平行六面体の体積になる)をとって1/n!すれば良い。

で、何で計量行列の行列式の平方根を取るのかと言えば、一つの説明はベクトルn個を適当な正規直交基底で表示した成分を並べて作った行列の行列式の絶対値がこれらが成す単位格子の体積を与えるから。

で、さらにその理由の簡単な説明を考えたのだが、一番簡単なのは、完全反対称関数の自由度がたった1しかない事に訴える事。

まず、

V=V(x_1,x_2,...x_n)

という風に単位格子の体積をn個のベクトルの関数として書く。これは、大体線形なのだが、微妙に線形じゃない。しかし、

V'=V'(x_1,x_2,...,x_n), |V'|=V

なる各引数について線形な関数を作る事ができる。このようなV'はV'と-V'の二種類ある(この辺り、ちゃんと証明しようとするとめちゃめちゃ面倒なんだろうなあ)。

V'は各ベクトルについて線形なだけでなく、完全反対称だ。n個のベクトルの完全反対称な関数というものを任意に考えると、実は自由度は1しかない。つまり、

V'(x_1,x_2,...,x_n)=A_{i_1,...,i_n}(x_1)_{i_1}...(x_n)_{i_n}

と書いた時、係数A_{i_1,...,i_n}は完全反対称テンソルε_{i_1,...,i_n}に比例する。正規直交基底を引数に取った時、1または-1にならなければならない事から、比例係数は1または-1であると分かる。これは、V'がX_{ij]=(x_i)_{j}を成分とする行列Xの行列式またはその逆符号を取った物である事を意味する。

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